どうも、べにまるです。
今回はドラムミックスのコツ第二弾として、キック(バスドラム)の処理方法を紹介します。
今時のドラムサウンドを作る上で、バスドラムが力強く鳴っていることは必須の条件となっていますね。
ですが、いざキックを大きく聴かせようとしても中々すんなりとは行かないものです。
必要な低域は最初から出ている
キックの処理でやってしまいがちなのが、低音を強調しようとしてEQでもりもりブーストする事です。
これをすると、キック単体で聴けばイイ感じになるものの、オケに混ぜてみるとなんだか濁った、ヌケの悪い低域になってしまいます。
なぜそうなってしまうのかというと、
ギターやベースなど他の楽器が出している低域がキックの低域とぶつかり、互いの邪魔をし合ってしまうためです。
キックを力強く鳴らすには、キック自体をブーストするのではなく、他の音をカットして帯域を譲ってもらう事が必要なのです。
ローカットの徹底
ギターやシンセ、スネア等の楽器は、思っている以上に余分な低音が出ています。
これらの楽器に必要なローはせいぜい180hz程度までで、それ以下は音を濁らせるだけの不要な低域です。
一度思い切って、すべてのギターやシンセはハイパスフィルターを90hzから入れ、さらにシェルビングEQで180hz以下を3~5dbくらい抑えてみましょう。
オケ全体のもわっとした感じが消え、低音楽器がクリアに聞こえてくるはずです。
ギター
ベースとの譲り合い
キックの処理で最も重要なのは、同じ低音を支える楽器であるベースとの棲み分けです。
どちらもセンターに定位し、周波数域も近いので特にぶつかり合いやすい存在となります。
これを棲み分けるには、互いの音の芯となる周波数を譲り合う事が必要になります。
場合に寄りますが、音の芯は
キック・・・120hz
ベース・・・150hz
付近にある事が多いと思います。
Qを鋭くしたEQを使用して、ベースは120hzをカットしてキックに譲り、同時にキックはベースのために150hzを抑えます。
こうする事で低域のごちゃつきを解消し、クリアに聴かせることが出来ます。
バスドラム
ベース
まとめ
・キックが出ないのは他楽器のせい
・ギターやシンセは必ずローをカット
・ベースとキックは細かく譲り合う
楽曲の中でキックがクリアに鳴るようになると、一気に垢抜けた印象に化るでしょう。
ベースとの棲み分けはやや難易度が高いかもしれませんが、意識していてば自ずと出来るようになってきます。
ドラムミックス目次
vol0 曲のクオリティはドラムで決まる
vol1 オーバーヘッドが一番大事
vol2 キック/バスドラムの低音を出す
vol3 スネアの抜けを良くする
vol4 ハイハットのキレを出す
vol5 タムは定位が大事
vol6 ルームマイクで響きを付ける
vol7 バスコンプを使いこなす