Overdrive

Fulltone Fulldrive2 MOSFET 【定番の底力】

fulltone fulldrive2 mosfet

どうも、べにまるです。
今回はFulltoneのFullDrive2 MOSFETをサウンドチェックしていきたいと思います。

これはかなり有名なペダルですね。
ハイエンドなTS系ODとして、一時期は大流行しました。
色んなプロギタリストのペダルボードに乗っている所を見た事がある人は多いと思います。

長きに渡り定番として君臨し続けている事実が、Boosterとしての性能が一級品であることを証明しています。

最近ではライバルとなるブティック系のTS系ペダルがかなり増えてきましたが、そんな中でもFullDrive2はBooster系ODとして非常に高いレベルでまとまっている、優れたODだと思います。

BoostのためのODペダル

FullDrive2を一言で表せばまさに「BoostのためのODペダル」。
伸びやかなリードサウンドを作る事に特化したOverdriveという印象です。

ペダル自体の歪は、これぞTS系といった感じのかなり暑苦しいキャラクター。
そのためバッキングや、JC-120のようなアンプを歪ませる用途にはあまり合わないかもしれません。

一方で、上質な真空管アンプと組み合わせた際の音色は流石の一言。
アンプ単体では稼ぐのが難しい、ファットなミドルの量感をうまく足しこむ事が出来ます。
程よいコンプレッション感もあり、ギターソロ用の音色を作るのが得意なペダルだと思います。

モードによっては演奏のダイナミクスを生かしたセッティングにする事も可能です。
ブーストに必要な要素を殆ど備えており、噂に違わぬ高い完成度が伺えます。

小回りの効くモード切替

FullDrive2の最大の強みは、多彩なコントロールによってサウンドを細かく追い込める点にあります。

2つのモード切り替えスイッチ+Boost機能によって、状況に応じた音のエッジやコンプレッション感のバランスを作り込むことが出来ます。

クリッピング切替

1つ目のスイッチはクリッピングダイオードの切替。
・クラシックなコンプレッション感が特徴の「Normal」
・ローゲインでハリのある「MOSFET」

演奏のダイナミクスを生かすなら「MOSFET」、ロングトーン交じりのギターソロなら「Normal」といったように、目的のサウンドに合わせて積極的に切り替えていくことが出来ます。

モード切替

Normal-MS-CompCutの3モードを切替。
・クラシックなODらしい挙動の「Normal」
・Wetシグナル(歪んだ音)にDryシグナル(バイパス音)がMIXされる「MS」
・音量が大きく上がり、歪みにくくなる「CompCut」

「MSモード」では、ヌケ感と厚みのバランスが取れたモダンなサウンドになります。Centaur的な発想ですね。
「CompCut」はまさにBoosterに最適なモードで、「MOSFET」クリッピングと組み合わせることでハリの強い独特なエンハンスを得る事が出来ます。

これらのスイッチを組み合わせる事で、クリーンブースターからクラシックなODまで、様々なキャラクターを使い分ける事ができる、これがFulldrive2の素晴らしい長所ですね。

隠し味のBoostスイッチ

FullDrive2にはさらに、「Boost」と書かれたフットスイッチが装備されています。
一見、シンプルに音量が増えるのかと思うところですが、実際にはそうではなくペダルのINPUT部分をブーストするスイッチになっています。
ブーストすればする程、音量ではなく歪が増えていくイメージですね。

ならGAINを上げれば良いではないか、という声が聞こえて来そうですが、GAINを上げるのとINPUTをブーストするのとではサウンドキャラクターが異なります
シンプルに歪が増えるGAINに対して、Boostでは飽和感や倍音をたっぷり含んだ歪ませ方をする事が出来ます。

やりすぎると音の輪郭がボヤけてしまうのですが、上手く両者を組み合わせる事が出来ると、まるでアンプをドライブさせたようなリードトーンをペダル単体で作り上げる事ができます。

まとめ

このペダルは、アンプで基本となるバッキングサウンドが満足に作れている状態で、+αのリードサウンドを作るような用途に向いているペダルだと思います。

また、どのようなセッティングでも”使える”サウンドになるFullDrive2ですが、個人的には「MOSFET」クリッピング+「MS」モードのサウンドがお気に入りです。
どことなくCentaurに通じるハリのあるサウンドは、演奏のダイナミクスを活かしつつアンプをプッシュするのに最適。

定番と呼ばれるペダルには、それだけの理由があります
エフェクターや、その他の機材選びで迷った際には、定番と呼ばれる機材に目を向けて見ると何か大きな気付きを得られるかもしれません。

「FullDrive2の名前は知っているけど、弾いた事はないよ」という方は、是非一度触って見てください。

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