Fuzz

ファズというエフェクターが持つ3つの魅力

ファズというエフェクター

どうも、べにまるです。

最近の音楽シーンでは当たり前の様にファズが使われるようになってきましたね。
一昔前は、ファズなんて古臭くてダサいだけのエフェクターだという意見が大多数でしたが、時代の変化は早いものです。
今ではロックだけでなく、アニソンやアイドル曲などでも頻繁にファズの音色を耳にします。

そんな中、「ファズって興味はあるけど、いまいちピンとこない」と思っている人が沢山いるように感じます。
なんか違いが良くわからなくて選ぶの難しそう。買ったとしても使い所が良くわからないし、まぁいいや、という感じですかね。

全日本ファズ普及委員会会長(自称)である私べにまるは、こういった意見を耳にするたび、「もっとみんなにファズの魅力を知って貰えればなぁ」と感じていました。
そんなわけで、今回から数回にわたって、ファズというエフェクターを完全解剖していきたいと思います。

今回は記念すべき第一回目として、ファズというエフェクターが持つ3つの魅力について紹介したいと思います。
1.「攻め」の音作りができる
2.ファズは生き物のように有機的
3.ひとつひとつが個性のカタマリ

もしふつうの歪エフェクターにどこか物足りなさを感じてきたなら、ぜひファズの世界へ足を踏み入れてみましょう。

攻めの音作りができる

ファズの一番の面白さは何と言ってもそのサウンドにあります。
アンプやODの歪とはまるで違った「攻め」の音作りを出来るのが特徴です。

何はともあれ、まずはサウンドを聴いてみましょう。
ファズの音色は大きく分けて3種類に大別できます。

1.ブチブチ系ファズ

ToneBender
サスティンがブチブチと途切れる、個性的なサウンドです。
最近ではファズというとこういったサウンドのイメージが強いかもしれませんね。

個人的には椎名林檎のバッキングで使われているイメージがあります。

8bitのシンセサイザーっぽい音から、感情を爆発させたようなサウンドまで、アイデア一つで無限の可能性を持った音色です。

2.轟音系ファズ

BIG MUFF
こちらもファズのイメージとしてメジャーかもしれません。
音の壁とも称される、ディストーションより遥かに分厚いハイゲインサウンドですね。


ファズの代名詞ともいっても良い「BIG MUFF」に代表される轟音サウンドです。
圧倒的な音圧は、グランジ・オルタナっぽいバッキングにピッタリです。

3.職人系ファズ

Analog.man sunface NKT-275 whitedot
意外と知られていませんが、ファズはとても滑らかで温かいリードサウンドも得意としています。

こちらはファズ界のキングであるファズフェイス。
クラシカルでぶっといサウンドは、ブルージーなギターソロにピッタリです。

おまけ:クレイジーな発振

FUZZFACTORY
おまけです。
こんな事ができちゃうファズもありますよ。

こちらは近年、定番の座にまで上り詰めたFuzz Factory選手。

どれも刺激に満ちたサウンド

皆さんはどのファズサウンドが好みでしたか?

どれもクリーンorドライブという常識的なギターサウンドの枠にとらわれない、個性的な音色です。
もはやファズ自体が一つの楽器だと言ってもいいかもしれません。

ODやDSとは全く違う刺激的なサウンド。
これこそがファズというエフェクターが持つ最大の魅力だと思います。

生き物のように有機的

ファズの面白さNo2は、様々な要因によって生き物のようにサウンドが変化する所にあります。

ファズはオーバードライブやディストーションとは歪を生み出す原理が全く異なります。
極論すると音をトランジスタというパーツに突っ込むだけという、言ってしまえばかなり原始的な仕組みです。

原理がシンプルであるがゆえ、ちょっとした要因で簡単に音色が変化してしまうのですね。

特に有名なのは鈴なりと呼ばれる現象です。
ファズフェイスをつなぎ、ギター本体のVolを絞る事で、ジャリンとした味わい深いクランチサウンドが得られます。
ファズフェイスはファズの中でも特にシンプルな構造をしているため、入力信号が弱まると歪ませる事が出来なくなり、不思議な鈴なりサウンドが生まれるという訳ですね。
慣れてくるとこの特性を活かして、ギターのVol一つで多種多彩な音色を作り出すことが出来るようになります。

また、電源の電圧が変わると音のキャラクターが変化するのもファズの面白さ。
えーそんなのめんどくさい!と思う人もいるかもしれませんが、電源を変えるだけでサウンドをもっと自分好みに追い込めるというのは、地味に大きな魅力です。
(ちなみに我々のようなオタクには電池をとっかえひっかえ試す過程が何より楽しかったりします)

ファズは原始的な構造だからこそ、自分の知識と技術があれば、自在にサウンドを変化させることが出来る。
これがファズの持つ第二の魅力だと思います。

ファズは個性のカタマリ

ファズの第3の面白さ、それは値段の安い高いに関わらず、どの製品も尖った個性を持っている、という点にあります。

高級ブランドのファズには、各ビルダーの職人としてのこだわりがぎっしり詰まっています。
ファズはパーツ一つ変えるだけでサウンドが大きく変化してしまうので、徹底的に作りこまないと理想のトーンになってくれません。
サウンドからこんなにもビルダーの魂が感じられるエフェクターは他にないでしょう。

安いファズは一方で、まさにB級グルメのような、高級ペダルでは真似できない独特の魅力を持っています。
開き直ったかのような、ぶっとんだクレイジーなサウンドを持つペダルも沢山あります。
ODやDSでは全く歓迎されないようなサウンドのチープさも、ファズとなると一つの味わいのように感じられるから不思議です。

ファズの世界ではどれが優れている、どれがダメだといった事はなく、ひとつひとつの製品が尖った個性を持っています。
安いペダルも高いペダルも関係なく、ハマるフレーズもあればハマらない時もある。
それがファズの持つ第三の面白さだと思います。

まとめ

少しはみなさんのファズへの興味を、引き出すことが出来たでしょうか。

ファズは間違いなく、他のどのエフェクターよりも奥深く楽しい領域です。
・型にはまらない刺激的なサウンド
・さまざまな要因で変化する音色
・全てのペダルが尖った個性を持っている

これが私をファズの沼に引き込んだ3つの魅力でした。

さて、もし少しでもファズに対して興味が沸いて出てきたならば、お次はどんなファズが自分に合っているのかをチェックしてみましょう。

次回へつづく!

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