ミックスのコツ

バッキングのギターをスッキリさせるミックスのコツ

ギターのミックス

どうも、べにまるです。
今回はバッキングギターの処理について解説していきます。

バンド系の楽曲と言えば、コードをかき鳴らすようなバッキングギターが欠かせませんよね。
LとRに一本ずつ定位させて、リードも足して・・・と本数を増やしていくと、フレーズ同士がぶつかり合って、なんだかごちゃっとした感じになってしまう事があります。

さらに抜けが悪いからと言ってハイをブーストしたり、適当にコンプレッションをかけてしまうと、圧迫感ばかり強くてフレーズが聴き取れない、うるさいだけのトラックが出来上がってしまいます。

スッキリしたバッキングギターを作るには
・不要な帯域をカットして音のぶつかりを減らす
・コンプレッションして音を安定させる

この2ステップをイメージして処理しましょう。

ごちゃごちゃした感じになるのはサウンドが整理されていない事が原因です。
ボワボワした余計なロー成分をカットする事で、音を重ねた時にもスッキリと響くようになります。

さらに、やや強めにコンプレッションしてバッキングのポジションを安定させます。
ボーカルやリードギター等の主役よりも、脇役であるバッキングがちょっと奥のほうで鳴る状態を目指してメリハリをつけていきましょう。

まずはカットですっきりと

まずはギターに不要な低域をカットしていきます。

ギターは180hz付近に低音の芯があり、それ以下はボワボワと膨らんだ不要な帯域です。
この帯域は、ギター1本で聴いているとさほど気になりませんが、音が重なるにしたがってヌケの悪さに直結します。
問答無用でカットしていきましょう。

まず、ハイパスフィルターで90hz以下をバッサリとカットします。
ギターのハイパスフィルター

次にシェルビングEQで180hz付近から-5db程度カットします。
ギターのEQ
オンオフして聞き比べてみると、モワモワした感じが無くなるのがわかると思います。
全てのギタートラックにこの処理を行えば、それだけで全体的にスッキリした印象になると思います。

また、ローをカットすると相対的にハイミッド~ハイを強調することができます。
抜けが悪いからといってやたらハイをブーストすると、どんどんバランスが崩れてしまいます。
音にキレが足りないと感じた時は、ハイをブーストするのではなくローをカットするようにしましょう。

コンプで安定させる

きちんとカットが出来ると、次に気になってくるのがダイナミクスの不安定さです。

ギターはフレーズによって大きく音量感が変わる楽器です。
素のままだと奥に引っ込んだり、急に手前に出てきたり、距離感がフラフラと動いてしまいフェーダーが安定しません。

またローカットしてスッキリしたことで、ダイナミクスのばらつきが目立つようになっています。
しっかりコンプレッションをかけて厚く仕上げていきましょう。

アタック早め
リリース中間~遅め
レシオ4:1
-5db程度のリダクション

このくらいの設定から始めると良いでしょう。
ギターのコンプ

コンプレッサーを設定する際は、ボーカルやギターソロ等と合わせて鳴らしながらチェックしましょう。
これらの”主役”楽器よりも、バッキングのほうが奥で鳴っているように聴こえる状態を狙うと良いでしょう。

プラスαのテクニック

ここまでの紹介した処理だけでも、十分にバッキングをスッキリと響かせることが出来ますが、
さらに一歩進んだテクニックとして「ボーカルのオイシイ帯域を譲る」という方法があります。

ボーカルの芯は通常1.1~1.5khz付近にあります。
この帯域をバッキングからカットする事で、ボーカルの邪魔をしない、よりスッキリとしたオケに仕上げる事が出来ます。

十分にQを細くしてカットすれば、バッキング自体のサウンドキャラクターを大きく変えてしまう事もありません。
思い切って-5db~-7dbくらいカットしてみましょう。
ギターのカット

これもコンプレッサーを設定した時と同じく、必ずボーカルと合わせて鳴らしながらチェックします。
Qの幅を少し広くしてみたり、周波数を上下にスライドして、最もキレイに響くポイントを探しましょう。

まとめ

今回は、バッキングの音を整理する事で、ごちゃごちゃとしたトラックをスッキリさせる方法を紹介しました。

ギターに限らず、不要な帯域をカットすることは何よりも大切なテクニックです。
同時に、ミックスについて悩んでいる人の多くは、この不要な帯域のカットが上手くできていない事が多いように感じます。
バッキングギターはそれが最も顕著に表れる部分です。
自信のない人はまずギターの処理から集中してマスターしていきましょう。

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