どうも、べにまるです。
今回はリードギターをオケと馴染ませるミックスのコツを解説していきます。
DTMや自宅録音をやっている人は、ギターを弾けることが多いですよね。
そのためドラムやシンセは打ち込みでも、ギターは自分で演奏したものを録音する、というパターンが多いのではないかと思います。
そんな自宅録音されたギターをミックスする際には、なんだかオケに馴染まず、浮いて聴こえてしまうことがあると思います。
演奏して録音したのはギターだけで、他のパートはすべて打ち込み、という場合にはなおさらです。
このような場合に、ギターをオケに馴染ませるコツは以下の2つになります。
・コンプレッサーでダイナミクスを抑える
・ディレイの残響によって安定させる
リードギターが浮いて聴こえるのは、リズムもダイナミクスもがっちりと安定している打ち込みのサウンドに対して、録音されたギターのダイナミクスが不安定過ぎるためです。
特に、アンプにマイクを立てず、アンプシミュレーターを使ってライン録りされたギタートラックは、スピーカーから弦へのフィードバックが無いためサスティン不足に陥りやすい等の理由で、ダイナミクスのムラが出やすくなります。
そこで、コンプレッサーによってダイナミクスを安定させた上で、ディレイによってサスティンに自然な残響を与えることが出来れば、スッキリとオケに綺麗に馴染むギタートラックが出来上がります。
今回紹介する方法は、一度身につければいろんな場面で応用の効くテクニックです。
早めにマスターして自分の武器にしましょう。
まずは下ごしらえ
さっそくコンプレッサーを掛けて・・・と行きたいところですが、その前にやるべきはEQによる下ごしらえです。
ギターは録音されたままの状態だと、ダブついた余分なローをたっぷり含んでいます。
そのまま強めにコンプレッションしてしまうと、音が膨らんで、他の楽器と音がぶつかり易くなってしまいます。
このあとがっつりコンプレッションする予定なので、不要なロー成分をカットして、曲全体のバランスが崩れるのを防ぎましょう。
-12db程度のカーブに設定したハイパスフィルターで90hz付近からカットします。
周波数を前後にズラしてみて、音がわずかにスッキリするかな?というポイントを探しましょう。
これをやっているかどうかで、後々になって曲全体のバランスに大きな差が生まれてきます。
ギターに限らず上モノには必ずハイパスを入れる癖をつけるようにしましょう。
コンプレッサーによる安定化
お次はいよいよコンプレッサーを使用してダイナミクスを安定させます。
いまさら言われずともコンプレッサーくらい掛けているぞ、という人が大半だと思いますが、果たしてそのセッティングは適切なものでしょうか。
コンプは目的に応じて必要な設定が大きく変わってくるツールです。
不適切なセッティングでリダクションしてしまうと、状況が良くなるどころか、むしろ悪化してしまう事も多くあります。
オケにギターを馴染ませるという目的であれば、以下のセッティングからスタートしましょう。
・アタックやや早め(1ミリ秒)
・リリースやや遅め(400ミリ秒)
・レシオ4:1
・3~5db程度のリダクション
アタックは演奏のニュアンスが無くならない程度に早く設定します。これが遅すぎるとダイナミクスが十分に揃いません。
リリースはやや遅めにして、ファットな鳴りが感じられる所からスタートします。リリースを遅くするにしたがい音が遠のいてオケと馴染みやすくなりますが、遅すぎると完全に埋もれてしまうので注意しましょう。
上記の設定からスタートして、自然なダイナミクスと安定感のバランスが取れるポイントを探しましょう。
セッティングを詰める際は、ギターだけsoloにして聴くのではなく、ドラムやベースを一緒に鳴らしながら行ったほうが、相対的な距離感が掴みやすくて良いと思います。
ディレイで余韻を加える
仕上げはディレイを使ってサスティンに余韻を与えます。
ミックスで余韻を与えるというとリバーブ、というイメージがあるかもしれませんが、実はディレイとギターは相性が抜群です。
ライブではギターソロの時にうっすらディレイを掛けると安定感がでますよね。それと同じことをミックスでもやるようなイメージです。
また、ミックスで空間系を使う時はステレオバスにインサートして、センドリターンで・・・と教科書的に実践している人が多いかもしれません。
もちろんそれはそれで正しいのですが、ここでは思い切ってギターのチャンネルに直接ディレイをインサートしてしまいましょう。
センドで掛けるリバーブやステレオディレイは、トラック全体の響きをコントロールする役割ですが、こちらはあくまでもギターの音に安定感を与える為のディレイとなります。
テンポは付点八部か四分音符にして、1~2回だけ返ってくるように設定します。
ギターだけでモニターするとディレイが聞き取れるが、オケと混ぜたらわからない、くらいの音量が良いでしょう。
On/Offしてチェックすると、ディレイによってどっしりと腰が据わるのがわかると思います。
まとめ
今回はコンプレッサとディレイによってギターを馴染ませる方法を紹介しました。
・コンプレッサーでダイナミクスを抑える
・ディレイの残響によって安定させる
毎回この二つを自然に実践できるように意識しましょう。
ギターはスッキリし過ぎても、逆に引っ込み過ぎてもダメな難しい楽器です。
さらに曲によって必要なサウンドも大きく変わってきます。
ミックスの段階で試行錯誤するのももちろん大事ですが、実はレコーディングやアレンジの際に、完成形をイメージしておくという事が一番重要かもしれません。