どうも、べにまるです。
前回に引き続き、KLONのCentaurについて書いていきたいと思います。
楽器屋さんの通販サイトでしばしば見かける、中古のオリジナルCentaur。
ぼーっと眺めていると同じオリジナルCentaurでもケースがゴールド or シルバー、ウマ人間イラストの有無など、デザインによって値段が大きく異なることに気づくと思います。
Centaurのバリエーションは生産された時期を表しています。
詳しくは後述しますが、どうやら作られた時期が古いものほど高い値段が付けられているようですね。
比較的新しいものでも10~20万、古いものだとなんとその倍以上。
となるとやはり気になるのが、
「デザインよって値段が全然違うけど、サウンドに違いはあるの?」という事。
そんな中、運よく異なる3種類のCentaurを並べて試す機会を得ることが出来ました。
じっくりと比較して、どれだけ違いがあるのかチェックしていきましょう。
ターゲットはコチラの4台。
並べて入念に弾き比べてみると、なるほど確かに音の違いは存在します。
しかしその差は思っていたよりも僅かなもの。
Verの違いによってどのくらい音に差があるのか、雰囲気だけでも感じ取っていただければ幸いです。
それでは細かく見ていきましょう。
Centaurのデザインについて
本題へ入る前に、CentaurのデザインVerと生産時期の関係についてざっくりとおさらいしましょう。
まず絵柄、次にケースの色を見れば、そのケンタが生産された時期を判断することが出来ます。
まずは絵柄。古い順に並べると以下のようになります。
・FAX Only(ウマ人間の絵 + 裏面にKLON社のFAX Noが記載)
・Long Tale(ウマのしっぽが長い)
・Short Tale(しっぽが短い)
・No Picture(絵なし)
尻尾がだんだん短くなり、最後にはウマ人間自身が消えてしまったわけですね。
さらに同じ絵柄であればGOLDのほうがSILVERより古い。コレでCentaurの見分け方はバッチリです。
この辺は難しいのでテストに出ません。
Gold No Picture:1つの基準となる音色
いよいよ本題です。
こちらのGold No Pictureは、絵なしシルバーに次いで2番目に新しいバージョン。中古市場でも多く見かけるモデルです。
Gain2時、Tone2時、Vol10時のサウンドSample
このバージョンについては前回の記事でも詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
サウンドからは「これぞオリジナルCentaur」といった威厳を感じます。良い音ですね。
ややハイの落ち着いた暖かい音。
不思議とオールド機材っぽい、ちょっと枯れた質感も感じます。
暖かなサウンドでありながらヌケが悪くならないのがCentaurの素晴らしい所です。
ぐっと持ち上げられる感じがある反面、抑えつけられる印象はありません。
これがブースターとしてケンタが評価された理由かも知れませんね。
Gold No Pictureはサウンドのバランスが良く、Centaurとして1つの基準となるサウンドだと思います。
Gold Short Tale:思ったよりも・・・?
ウマ人間のイラストが付くと急に値段が高くなるCentaur君。
こちらのGold Short Taleは先ほどの絵なしゴールドよりも二世代古いモデル。
お値段も倍近くに跳ね上がります。
値段が値段ですので、期待に胸を躍らせながら弾いたのですが、意外なことにGold No Pictureと大きな差は感じませんでした。
質感・キャラクター的には全く同じです。
わずかにハイの出方が控えめな印象はありますが、それもごく僅かなもの。
経年劣化によるハイ落ちか、パーツ・ワイアリングにおける固体差の範囲内にも思えます。
No Pictureとの価格差があまりにも大きい事を考慮すると、プレイヤーとしては割高に感じるかもしれませんね。
*ただ、ウマ人間のイラストがあるだけでテンションが10割増しなのも事実。
自然とナイスなプレイが生まれるってのはあるかも。ウマだけに。
Silver No Picture:ドライなフィーリング
オリジナルCentaurの中で最も入手しやすい価格(といっても10万over)のSilver No Picture選手。
このバージョンは他の2つと比較して弾いた感触がやや異なります。
軽くローカットを入れたような、ガラっと乾いた響き。
演奏に対するレスポンス・キレを感じるので、ブースターとしてだけでなくバッキングにも使っていけそうです。
よく「絵なしシルバーはゲインが高い」という意見を耳にしますが、確かに音の輪郭がやや立っているため、聴覚上のゲインは高く感じますね。
暖かい音色のゴールドに対して、タイトに鳴るシルバーという印象でしょうか。
サウンド的にはゴールドよりもこちらのほうが好みだと感じる人も多いのではないかと思います。
Gold FAX Only:枯れたサウンド
なんと最初期(!)のCentaurであるGold FAX Only。
他の3つとは明らかにサウンドのキャラクターが異なります。
音圧感のあまりない、いわゆる”枯れた”サウンド。
控えめなパワーをVolで補ってあげると、より自然でバランスの良いトーンが得られます。
気になったのは他と比べて演奏のダイナミクスが出ないこと。
コンプレッション、という感じではないのですが、良くも悪くも一定のニュアンスが保たれます。
Centaurは1995年に一度だけ回路を変更しているという話を聞いたことがあります。
そしてこのFAX Onlyの誕生日は1994年。
もしかしたらコレが違いを生んだ要因なのかもしれません。
まとめ
さて、今回は4バージョンのCentaurを比較して参りました。
皆さんはどう感じたでしょうか。
個人的には最初期のFAX Onlyを除けば、あえて選り好むほどサウンドに違いは無いのでは、というのが正直な意見です。
確かに弾いた感触は異なります。
しかし、それはほんの些細なもの。
録音したサウンドをプレイバックしてみても、そこに音の違いは殆ど現れていませんでした。
ブラインドテストで当てる自信は全くありません・・・
一方で最初期のFAX Onlyだけは他とは大きく異なるキャラクターが印象的でした。
もし初期型のサウンドが好み、となるとお財布が大変ですね・・・
おわりに
今回のサウンドチェックはべにまる自身にとってもインパクトがあるものとなりました。
当たり前のことですが、価格相場が安いからといって音がダメ、ということは全く無いのだと再認識させられました。
*というか元々はSilver No PicもFAX Onlyも、同じ価格で販売されていた筈ですよね・・
今後、Centaurの価格はどこまで上昇するのかは判りません。
もしプレイヤーとして「今のうちに!」と思うのであれば、SilverとGoldのNo Pictureを弾いてみて、フィーリングが好みのほうを狙うのが良いでしょう。
気軽に、とは言えませんが、皆さんもぜひ一度オリジナルCentaurにじっくりと触れ、様々なものを感じ取って頂きたいです。
以上、簡単にでしたがCentaurサウンド比較チェックでした。