どうも、べにまるです。
今回はPRSのNF3というギターを紹介します。
なかなか珍しいルックスのギターですね。
コリーナボディにメイプルネック＋エボニー指版、PUはミニハムバッカー３発という面白い仕様です。
見た目からは全く想像できませんが、一体どんな音がするギターなのでしょうか。
実は、このギターからはルックスに反してかなり真面目なサウンドが飛び出してきます。
PRSというブランドのカラーが色濃く出ている、スマートなギターです。
雑味の全く無い洗練されたサウンド。高い工作精度による抜群の弾きやすさ。
ノイズも少なく、チューニングも狂いづらい。
まさに、カッチリと仕事をこなす職人的なキャラクタのギターでした。
普段ストラトやテレのような、クラシックなスタイルのギターばかり触っている自分のような人間にとって、非常にインパクトのあるギターです。
それでは細かく見ていきましょう。
PRSというブランドの魅力
NF3というギターを紐解く前に、まずはPRSというブランドについて。
今ではすっかりFender、Gibsonに次ぐ巨大ブランドに成長しましたね。
その豪華絢爛なルックスに憧れる人も多いと思います。
しかし、このブランドが持つ本当の魅力は見た目の美しさではなく、“音”であることを忘れてはいけません。
PRSはビンテージライクな要素とはおよそ縁の無いモダンなコンセプトのブランドです。
FenderやGibsonといったクラシックなギターは倍音に豊んだ、ビッグな鳴りが魅力的ですよね。
一方でPRSのようにモダンなギターは、余計な響きが取り除かれた、カッチリと整理されたサウンドが特徴的です。
そのおかげで透明感のあるクリーントーンや、ノイズレスで雑味のないハイゲインサウンドを生み出すことができます。
まるでCDを聴いているかのような洗練されたサウンドはとても刺激的です。
その反面、ワイルドで泥臭いプレイには全くマッチしないギターでもあります。
（もちろんMccartyなど、モデルによってはクラシカルなものもありますよ）
豪華なルックスばかりが目立ちがちですが、PRSの本質はその仕事人的なサウンドにあるということを忘れずに居たいですね。
ミニハムが生むタイトなサウンド
話をNF3に戻しましょう。
NF3最大の特徴といえば、個性的な3基のミニハムバッカーPUですね。
このPU、一時期はPRSの様々なモデルに採用されていましたが、近頃はすっかり見なくなりましたね。不人気だったのでしょうか・・・
このPU、キワモノっぽいルックスに反して、意外と優等生的なサウンドです。
フルサイズのハムバッカーをトレブリーにした印象で、かなりカタめの音色になっています。
クランチではやや扱いづらさが目立ちますが、クリーンだと張りのあるジャジーな音色になります。
タイトでキレの良いサウンドは、ゲインを高めにすると抜群の音抜けを見せてくれます。
しっかりドライブさせてもノイズが少ないのが驚きのPoint。
NF3は見た目こそストラトっぽいですが、あの柔らかいサウンドとは間逆です。注意しましょう。
PRSのPUはどれも基本的にパワーが高いですね。これがブランドのキャラを決定付けているような気もします。
抜群の工作精度
NF3は木部・パーツの造りがとても丁寧で、安心感があります。
特にネック周りが素晴らしいですね。抜群に弾きやすく、鳴りも良い。
チューニングの安定性もピカイチです。
PRS独自のトレモロブリッジもよく出来ていると思います。
特にアームを多用しない人にとっても、平常時の安定性が高いのは大きな恩恵です。
このブリッジ、僕のストラトにも搭載したいです・・・それくらいに性能が良い。
PRSはハズレや固体差といった話もあまり聞かないので、プロダクトのクオリティ管理がしっかりしているようですね。
このNF3を触った後に古めかしいギターを弾くと、すぐにチューニングがズレないか不安になってしまいます・・・
まとめ
NF3というよりPRSの話になってしまいましたね。
PRSはブランドイメージが成熟しているため、フレイムトップのCustom24のように見た目の豪華なモデル・定番モデルは人気が高く、価格も家計に優しくないのがネックです。
そんな中、NF3のようにちょっとハズれた仕様のモデルは、あまり人気が出ずに早々に生産終了してしまうのがPRSの常。
これらは中古市場でもお手ごろな価格で扱われているため、PRSというブランドの魅力を味わうのにはぴったりなラインだと思います。
FenderやGibsonなどのクラシックなブランドとはまったく異なる質感を持った刺激的なフィーリングのギターです。
ぜひ一度、この職人的な真面目さを体験してみてください。
きっとこのスマートなサウンドに驚かされると思いますよ。
