機材紹介(DTM)

個人的No.1 ディレイプラグイン【TC electronic/TC 2290-DT】

TC2290_2

どうも、べにまるです。今回は最近お気に入りのディレイプラグインを紹介したいと思います。

みなさん、プラグインのディレイには拘っているでしょうか?
コンプレッサーやイコライザに関しては選りすぐりのものを使っている人であっても、ディレイとなるとDAW付属のものや、何かのバンドルに付属していたものを使っているようなケースも多いかもしれません。

しかし、MIXに於いてディレイやリバーブ等の空間系プラグインは、コンプやEQと同じくらい大切なエフェクトです。
曲を聴いているときにはあまり意識することの無い空間系エフェクトですが、実際には楽曲の中でかなりのウェイトを占めています。
ギターソロはもちろん、ボーカルのダブリングや、サビのバックで音圧を出したりと、使われ方も様々。
もし自分の楽曲をもっとレベルアップさせたいなら、一度ディレイのプラグインに目を向けて見ましょう。

TC 2290-DT

今回紹介するのは、TC electronicの”TC 2290-DT”。
機材に詳しい人であれば、このルックスに見覚えがあるかもしれませんね。
かつて、80年代にプロフェッショナルなディレイとして一斉を風靡したラック機材をモデリングしたプラグインです。

原音と溶けあうディレイ音

UREI 1176やLexiconのリバーブをはじめ、往年の名機と呼ばれる機材には、どれも長く愛されるだけの理由があります。
私が思うTC 2290最大の魅力は、原音とディレイ音のまとまりが非常に良い事です。

世の中には無数のディレイプラグインがありますが、自分がイメージした通りの音がすんなりと得られるものは中々ありません。
デジタル系のものはサウンドが綺麗過ぎてディレイ音が目立ってしまったり、逆にテープやアナログ系のものは味付けが強過ぎて原音が完全に浮いてしまったり。
原音とディレイ音の分離は良すぎても悪すぎても、理想的なバランスにはなりません。

“TC 2290-DT”は特にステレオで鳴らした場合に、少し色褪せたような、程よくアナログ感のあるサウンドを得ることが出来ます。
例えば、良いレンズで撮った写真は背景がボケることで主題が引き立ちますが、”TC 2290-DT”はまさにそれと同じように、原音の邪魔をせずに背景を埋める事が出来ます。
ギターソロにうっすらと掛けるような使い方には、特に相性が良いでしょう。

物理コントローラで直感的に調整

TC2290DT
“TC 2290-DT”のもう一つの大きな特徴は、専用のコントローラが付属している事です。

画面に表示された数値と睨めっこになりがちなプラグインの調整ですが、コントローラがあるとディレイタイムやフィードバックなど、主要なパラメータをもっと直感的・音楽的に行う事が出来ます。
特にワンタッチでエフェクトをON/OFF出来るのは非常に便利で、MIX中のみならず、例えばレコーディング中のモニターにディレイを掛けているときなどに、余計な意識を割かず効率的に作業を進める事ができます。

物理的な実体を持たないため、いまいち所有している実感が沸きづらいプラグインエフェクトですが、”TC2290-DT”は目の前にハードウェアがあることでテンションが上がるというのも意外と大きなポイントです。

ちなみに、このコントローラを接続すること自体がプラグインのライセンス認証を兼ねているため、コントローラ無しでは60日以上プラグインを使い続ける事が出来ません。
また、画面上だけではアクセスできるパラメータも限られているので、出張MIXやレコーディングの際にはコントローラごと持ち運ぶ必要があるでしょう。

応用的なセッティングが容易

発売当時、”TC 2290-DT”はモジュレーション、パンニング、ダッキングなど、最先端の機能がたくさん詰まった超ハイテクなディレイでした。
そして、その片鱗はプラグインとなって生まれ変わった今でも垣間見ることが出来ます。

ファクトリープリセットを順番に聴いていくと、ディレイのみならず、コーラス、フランジャー、マシンガントレモロ、オートパンなど、色々なサウンドがある事に気づきます。
“TC2290-DT”は単なるディレイとしての機能を超えて、様々な応用を聞かせたサウンドを簡単に得ることが出来ます。

ステレオダブリング

例えば実際のミックスでよくある、モノラルで録音されたギターを、左右に広げたいシーン。
これは”TC 2290-DT”のパンニング機能によって簡単に実現できます。
原音を100%左から聞こえるように鳴らし、反対側に僅かに遅れたディレイ音を一回だけ返す事で、分厚い広がりのあるサウンドを得る事が出来ます。

普通のディレイで同じ事をすると、バスを立ち上げてパンを調整し、センドで送って調節・・・となり、ルーティングやフェーダーの管理が面倒ですが、”TC 2290-DT”であれば単体で完結できるので、プリセットを利用すれば試すのも戻すのも簡単です。

モジュレーション

オリジナルの”TC 2290″は美しいモジュレーションが作れる事でも有名です。
最近のマルチエフェクターにも”Modulation Digital”などの名前でモデリングが入っていたりしますね。

“TC 2290-DT”はステレオで鳴らした際の、立体感のあるサウンドが魅力的ですが、そへに更にモジュレーションを掛ける事で幻想的な雰囲気を演出できます。
ギターに付点8分でがっつり掛けて、U2のエッジやデヴィッド・ギルモアのようなテンポディレイを作るのも良いでしょう。

腕利きのエンジニアであれば、どんなディレイプラグインを使ってもパラメータやエフェクトの組み合わせで狙った通りの効果を得る事が出来ますが、宅録ギタリストやDTMerにとって、複雑な効果がシンプルに得られるという事は大事なポイントだと思います。

TC2290-DT

まとめ

私自身、なかなか自分のイメージ通りに扱えるディレイプラグインを見つけられずにいたのですが、これでようやく旅が落ち着きそうです。

“TC 2290-DT”は実機のモデリングという点を抜きにしても、純粋にプラグインとして完成度の高いものになっています。

DEMOモードでればハードウェア無でも動作しますので、皆さんも是非使ってみてください。
往年のCDで聴き慣れているのと同じサウンドが得られると思います。

このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

更新の最新情報はツイッターをチェック!