どうも、べにまるです。
今回はTS9、TS808、そしてTS10のサウンドの違いについてチェックしてみたいと思います。
Ibanez TubeScreamerといえば、もはや知らない人はいない王道ODですね。
最も有名なTS9をはじめ、TS808、TS10やTS7など、TubeScremerは時代に応じて様々なモデルチェンジをしてきました。
これらTSのバリエーション、見た目は結構違いますが肝心のサウンドはどのくらい違うのでしょうか。
「同じメーカーからリリースされているのだから、音に違いは無いんじゃないか」と思われている方も多いかも知れません。
そこで今回は、TSファミリーの中でもとりわけ評価の高いTS9、TS10、TS808を比較してみたいと思います。(現行リイシュー版ではなく、80年代のペダルを集めました。)
ひとつひとつのバージョンについて細かく書くと、それだけで物凄いボリュームになってしまうので、今回は「バージョンが違うとこれだけ差があるんだなぁ」くらいの軽い気持ちで読んで頂ければ幸いです。
TS9:明るい響きが特徴的
TSと言えば誰もが思い浮かべるこのルックス。
TS9は本家TSファミリーの中でも、比較的明るい響きを持っているのが特徴だと思います。
音の重心が高く、ハイミッドに寄ったサウンド。
「TSはローが薄い」と言われる事が多いですが、それが特に顕著に感じられるのがこのTS9かも知れません。
TS系のペダルといえばBoosterとして使用される事が多いですが、TS9の明るいサウンドはバッキングにもOK。
ゲインも意外と稼げるので、割と広い用途に使える印象があります。
定番の機種ですので「無個性なキャラクターなのでは?」と思われがちですが、しっかりとした個性的なサウンドを持ったペダルだと思います。
TS808:これぞTS系の起源
TS9に次いで有名なルックスですね。
実は最も有名なTS9ではなく、TS808こそが元祖TubeScreamerだったりします。
TS808はやや落ち着いたサウンドが特徴的。
明るい鳴りだったTS9と比べると、そこまでハイミッド寄りのサウンドでもなく、ゲインも控えめ。
その分柔らかな音像が心地よいですね。
程よいコンプレッションと、自然に強調された中音域は、ファットなリードサウンドを作るためのBoosterとしてぴったりでしょう。
飾り気の無いシンプルなサウンドは、まさにTubeScreamerのイメージそのまま。
「TS系」のTSとはTS9ではなく、この808を指しているのではないでしょうか。
TS10:がっつりミッドに寄った音
マニアに人気のTS10。プラスチックの小柄なボディがカワイイです。
先の二機種と比べて、さらに強烈にミッドに寄ったサウンドが特徴的。
ところてんのようにぎゅっと詰まった音色は、かなり音像のぶっといサウンドを作る事が出来ます。
しっかりとしたコンプレッションが感じられるので、ロックなギターソロを作るペダルとして活躍できそうですね。
反面、どうセッティングしても濃厚なキャラクターは消せないので、サウンドメイクの自由度は低いかも知れません。
また、バッキングやナチュラルなフレーズには合わせづらい印象があります。
極端にミッドレンジ寄りのサウンドは、まさに本家TSといったところ。
暑苦しいまでの濃密なサウンドは、他の機種では味わえません。
まとめ
3機種とも、同じTubeScreamerの名を冠しているだけあって、基本となるサウンドの傾向は近いものでした。
特に「ミッドに寄ったサウンド」「強めのコンプレッション」といった要素は、TSファミリー全てに共通する要素だと思います。
一方で、バージョンごとにサウンドの違いは確かに存在します。
それは決して大きな差ではありませんが、確実に各ペダルの個性的なキャラクターを生んでいます。
昨今のエフェクター市場には沢山のTS系ブティックペダルが溢れていますが、同じTS系でもベースにしているのがTS10なのか、TS808なのかで音の傾向は大きく違ってきます。
TSの各バージョンによる音の違いを把握していれば、それら高級ペダルの中から、自分にあったペダルを探す効率が上がるかもしれませんね。