どうも、べにまるです。
Centaurシリーズは前回を最終回にしようと思っていたのですが、意外と(?)反響があったStudioDayDreamのKCM-OD(Ver7.5)について詳しく紹介しようと思います。
このStudioDayDreamというブランドは、Webショップやオークションによる販売を中心とした、小規模なブランドです。
そのため、楽器店で試奏する事もできず、ネット上の情報もあまり多くありません。
KCM-ODについて興味を持ったとしても、十分にペダルの情報を得る事ができず、手を出しにくいという難点があります。
なので、今回はKCM-ODに興味を持った人が十分にペダルについて理解できるよう、サウンドの傾向や機能性について紹介したいと思います。
このペダル、かなりコストフォーマンスに優れた逸品だと思います。
私も今まで沢山のCentaurクローンに触れてきましたが、その中でも一番と言って良いほど気に入って使っています。
StudioDayDreamについて
StudioDayDreamという名前、皆さんあまり馴染みが無いかも知れません。
某オークションを中心にオリジナルのエフェクターを販売しているブランドです。
CentaurやLandgraffのクローンをはじめ、スイッチャーやオリジナルのディレイなど、ツボを抑えたラインナップが魅力的です。
オークションと聞くと、素人による自作レベルの製品では?と思うところですが、
大手ブランドの製品と比べても遜色のない、しっかりとした作りをしています。
楽器店を介さない分、お値段が抑えられているため、高品質なペダルを割安で入手する事が出来ます。
クローンにとどまらないサウンド
それではKCM-ODのサウンドについて見ていきましょう。
このペダルは所謂Centaurのクローンペダルです。
そう言うとどうしても「オリジナルと似ているのか?」という点ばかり気になってしまいますね。
KCM-ODの魅力は、Centuarらしいキャラを持ちつつも、しっかりと独自のサウンドを確立している所にあると思います。
Centaurといえば、どっしりとしたロー~ハイミッドの量感と、暑苦しいまでに密度感の高いドライブが特徴的です。
それに比べると、KCM-ODはやや”あっさり”とした上品なサウンド。
帯域はODらしくほんのりとミッドに寄っており、歪み方にも余裕が感じられる、ハイファイ&モダンなCentaurという印象です。
誤解を恐れずに言えば、モダンなCentuarであるKLON KTRと、ミッド偏重のTubeScreamerを足して割ったようなイメージでしょうか。
また、ややコンプレッション感が強いため、ガッツリ歪ませずとも滑らかなサウンドを得る事が出来ます。
それでいて、演奏のダイナミクスに対して不思議とストレスは感じません。
KCM-ODはその柔らかなサウンド特性から、Booster的な使い方が合っているペダルだと思います。
特にクリーントーンをプリっと太くしたい時など、大いに活躍できるでしょう。
Switchによる幅広い調整
KCM-ODは3つの切替スイッチを装備し、サウンドの柔軟性を高めています。
・3wayのクリッピング切替
・2段階のローブースト
・バッファOn/Offの切替
それぞれのスイッチの効果は決して派手ではありませんが、目的に応じてサウンドを微調整するのに役立ちます。
クリッピングは以下の3種類。
・Centaurタイプ
・LED対称(所謂マーシャル型)
・シリコン対称(所謂TS型)
デフォルトのサウンドがやや大人しめなので、LEDクリッピングの暴れる感じも合いそうです。
TSクリッピングにすればハイミッドがTubeScreamerっぽいライトな歪み方になります。
ローブーストスイッチの効き方も素直です。
特にBoosterとして使う際、ローを強めに出すと音像の太いサウンドを作れるでしょう。
オリジナルCentaurはややローミッドが強めなので、それを再現する意味でも良いかも知れません。
BufferをOffに出来るのは、トゥルーバイパス派にとっては嬉しいですね。
Centaurの回路はバッファ込みでサウンドデザインされている印象があり、BufferをOffにするとエフェクトON時の音まで大きく変わってしまいます。
用途に応じて、慎重に使い分けたいですね。
どのスイッチも”使える”効果を生むので、頻繁に切り替えたくなります。
私のVer7.5はスイッチが内部にあり、ケースの裏蓋を開けないと触れませんが、最新のVer8.0では外部からアクセスできるようになっているようです。(羨ましい!)
まとめ
これだけ高いポテンシャルを持ちながら、価格が控えめなのがGoodですね。
有名ブランドから出ていたら倍の値段でもおかしく無いでしょう。
・柔らかく余裕のあるサウンド
・各種スイッチによる微調整が可能
・脅威のコストパフォーマンス
試奏なしで購入するのは勇気がいるかも知れませんが、もしCentaur系のペダルを一つも持っていない or 柔らかなサウンドのBoosterペダルを探しているという方はチェックしてみてはいかがでしょうか。