どうも、べにまるです。
脱初心者ドラムミックスもついにシリーズ最終回です。
各パーツの処理が出来たら、いよいよステレオバスにまとめてのMIXとなります。
ドラム用のステレオバスを作成し、各チャンネルのアウトプット先をドラムバスに変更します。
こうするとドラム全体の音量をまとめて上げ下げしたり、ソロ&ミュートできるようになります。
バスコンプでまとめる
各ドラムパーツをただ合わせただけだと、それぞれがバラバラに鳴っているため、
タム回しの時など、何かマヌケな感じに聴こえてしまいます。
そんな時は、ドラムバスにバスコンプを刺してまとまりを与えましょう。
バスコンプは一緒に送られれている楽器同士が同じコンプレッションを受けます。
例えばスネアをカッツーンと鳴らすと、ハイハットも引っ張られてリダクションされるわけですね。
すると、互いにリズムのうねりを共有するので、ドラム全体にビートの一体感が生まれます。
セッティングは
・アタック遅め
・リリース普通
・レシオ1.5:1~2:1
・2~4dbのリダクション
くらいの設定からスタートするのが良いでしょう。
あまりガッツリ潰すのではなく、タム回しが自然にまとまる位を狙うと良いと思います。
キックを大きく出す
今風のバスドラムを大きく鳴らす曲だと、キックにバスコンプが反応し過ぎてしまう事が多々あります。
キックだけドラムバスから外すのも手ですが、音量制御が面倒です。
そういう場合は、サイドチェインHPF(ハイパスフィルター)が搭載されているコンプを使います。
サイドチェインHPFは、設定した周波数以下の音にはコンプを反応させないようにする機能です。
たとえば、キックのピークを超える150hzに設定すると、バスコンプはキックにほとんど反応しなくなります。
これを利用すれば、まとまりのあるドラムサウンドとキックのパワーを両立することが出来ます。
60hzくらいからスタートすると良いでしょう。
上げるほどキックが分離していくので、ちょうど良いところを探すイメージで調節します。
HPFサイドチェインは、WavesのDBX160など最近のバスコンプには殆ど搭載されています。
DAW付属のコンプでも出来るものが多いので、ぜひ探してみましょう。
音量の調整
ここまで来たらあと少しで完成です。
他の楽器と混ぜつつ音量調整を行いましょう。
ドラムだけで聴いているとイイ感じでも、ベースやボーカルと混ぜると帯域のぶつかりが感じられるかもしれません。
そのような場合はドラムバスにEQを挟んで、ピンポイントにカットしましょう。
バスへのEQは多くても±2db位にとどめておいた方が良いです。
それでダメなら何か根本的な原因を疑ったほうが良いでしょう。
時には立ち戻って各パーツのEQ処理を見直すことも大事です。
しかし、あんまり前工程ばかり気にし過ぎると、いつまでたっても前に進めないので、多少は気にしない心も必要です。
意外とドラムバスへのEQ処理だけで何とかなるケースは多いです。
まとめ
・バスコンプでまとめる
・キックは独立させる
・オケと混ぜつつ音量調節
ここまで7回にわたってドラムの処理を解説してきました。
いろいろ細かい話もありましたが、ドラムの処理で基本となるのは
・トップマイクを土台にする
・ローカットしてぶつかりを避ける
・やたらめったらコンプしない
これに尽きると思います。
これさえ上手くできればドラムのクオリティが劇的に上がるはずです。
一度試しただけではコツを掴めないと思いますが、意識して何回もトライすれば、必ず満足いくドラムトラックが作れるようになります。
楽しみながら頑張って下さい。
ドラムミックス目次
vol0 曲のクオリティはドラムで決まる
vol1 オーバーヘッドが一番大事
vol2 キック/バスドラムの低音を出す
vol3 スネアの抜けを良くする
vol4 ハイハットのキレを出す
vol5 タムは定位が大事
vol6 ルームマイクで響きを付ける
vol7 バスコンプを使いこなす